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【キングジム】手書きメモを、スマートフォンアプリで管理発売4カ月で年間の販売目標を達成!

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拡大を続けるスマートフォン。ゲームのアプリも人気だが、ビジネスを効率化するアプリの人気も高い。キングジムが2011年2月に発売した「ショットノート」は、手書きのメモを画像として管理するアプリと一緒になってその力を発揮するという新しいコンセプトの商品。メモを書く、ケータイで写真を撮る、という誰もが慣れている行動の中に組み入れるという手軽さが受け入れられてヒット。4カ月で年間目標の15万冊を売り上げた。

キングジム 商品企画部デザイン課 リーダー  遠藤 慎氏
広報室 リーダー  三浦なずな氏

検索性の低かった女性社員のノートがヒント

──どのような経緯で商品開発を進めていったのですか。

遠藤 社内には自由闊達な風土があり、若手が自主的に「アイデアを出す会」などを行っていますが、「ショットノート」のアイデアもそこから生まれました。ある女性メンバーが、ノートにメモした内容を探すのに時間がかかっているのを見て、ノートの検索性を高められないものかと考えたのがきっかけでした。 ノートをデジタル化する方法は以前からありましたが、スキャニングの手間が敷居となって、ほとんど広まっていませんでした。そこで着目したのが、携帯電話のカメラで撮影するという手法です。私はデザイナーなので、以前からアイデアを絵で表現した時に、それを携帯電話のカメラで撮影し、メンバーにメールで送ってシェアしていました。一般的に馴染みのあるこの習慣をノートのデジタル化に応用すれば、より多くの人に受け入れられるのではないかと考えたのです。 商品化にあたっては、簡単に使えること、かつ検索性を徹底的に高めることにこだわりました。ショットノートでは、スマートフォンの専用アプリがノートの四隅のマーカーを読み取って、台形補正やサイズ補正を自動で行い、ノートを画面ぴったりに取り込みます。このとき、ノート上部の日付を書く部分に手書きで文字を書けば、それを検索機能のインデックスとして利用できるように、手書き文字を読み取るOCR機能を搭載しました。撮影するときも、ある程度自由な位置から撮影できるようにしています。

──アプリは無料で提供していますね。

遠藤 社内ではアプリも有料にしてはどうかという声も根強かったのですが、ノートと両方を有料にしても、ユーザーに受け入れられないだろうと考え無料にしました。販売しているノートの作り込みもしっかりしています。表紙はつや消しでコーティングし、スマートフォンと一緒に持ち歩いても傷付かないよう、外側にホチキスの針が出ない仕様にしています。

── 想定したユーザー像は?

遠藤 スマートフォンとアナログの文具を併用している人で、特に高付加価値ノートのユーザーをターゲットに想定しました。製品アンケートを見ると、初期購入者のほとんどが男性でした。

商品発表日のツイートに数千件のリツイートが集中

── 発売当初はどのようなプロモーションを行いましたか。

三浦 この商品は、発表が今年の1月12日で、発売が2月7日。この間の約1カ月を有効に使い、長期的に話題を継続させることが課題の一つでした。スマートフォンと一緒に使う商品だったことから、ツイッターを活用したPRを中心に、ネット上でのプロモーションを積極的に行っていきました。弊社では、広報室が運営する公式アカウントを昨年2月から始めています。商品PRを中心に、ときにはキングジムとは直接関係のないこともツイートしながら、キングジムのファンを増やすことを目的にしています。今回は、ショットノートとiPhoneユーザーが多く利用しているツイッターの相性の良さに着目して、まずは発表当日、ツイッターにショットノートのスペシャルサイトへのリンクを貼り付けて案内しました。すると、一晩明けた頃には数千件くらいの商品に対するツイートが投稿されていていました。売り上げより、もともとファンづくりのための投資として始めたツイッターでしたが、この時は「ショットノートを買った」とか「予約した」など購買に結び付いたツイートもかなり見られ、短期的に効果が得られたと実感しました。現在、フォロワーは約7000人にまで増えています。

── メディア向けにはどのような取り組みを行いましたか。

三浦 発表から約1週間のうちに、ネット上にできるだけ記事として紹介してもらいたかったので、モノ・トレンド系の雑誌と、ネットのニュースサイトを中心に、キャラバンやサンプリングを積極的に行いました。最近は、インターネットの場合、記事の最後にリンクが貼られるケースもあるので、そこから当社のウェブサイトやツイッター、フェイスブックページへ直接訪問することが増えています。

遠藤 ショットノートはエバーノートとの連携も特徴です。ターゲットも重複する部分があるのでエバーノートの日本でのローンチイベントにおいても、参加者全員に商品サンプルを配布しました。

──スペシャルサイトには動画も掲載されていますね。

三浦 ウェブサイトに動画を掲載したのは、この商品の外観が一般的なノートと区別がつきにくく、商品特長が伝わりづらいので、動画ではアプリの使い方の手順や機能を中心に説明しています。また、キングジムのウェブサイトを訪れなくても、「ショットノート」という単語の検索からも見てもらえるように、ユーチューブにも動画をアップしました。

──店頭ではどのようなプロモーションを行いましたか。

遠藤 店頭では、その場でダウンロードして機能を試してもらえるよう、ショットノートの撮影見本をつけたリーフレットを設置しました。まず使っていただいて便利さを伝え、購買につなげたいと思いました。これはアプリを無料にしたからこそできたことだと思います。また、普通のノートと違うことをアピールするために、POPに「App Store 」や「Android 」のロゴを入れて、アプリと一緒に使うものだという訴求を行いました。

三浦 販路としては文具店に加えて、携帯電話売り場を併設している量販店などでは、なるべくスマートフォンと一緒に使う商品だということが分かるような売り場展開をしてもらったり、レジ横に陳列してもらったケースもありました。

ラインアップの拡大で一般層にも広げる

── 発売後は話題になったことを受けて、ソーシャルメディアでの情報発信などで対応を変えたことなどはありますか。

三浦 ツイッターでの情報発信を継続的に行いつつ、5月からはフェイスブックでの情報発信も始めました。発売当初はできるだけたくさんのユーザーに情報を広げることを目標にしていましたが、発売後は双方向性を重視し、いかにユーザーと深くコミュニケーションを取っていくかに注力しています。例えば、ウェブサイトには掲載していないような細かい仕様や使い方など、ツイッターを見ている人だけが得られる情報をほぼ毎日のようにツイートしました。開発の遠藤には「何かネタになるような商品の裏話はない?」と頻繁に聞いていましたね。ほかにもショットノートの情報が検索できるようにハッシュタグを付けました。

遠藤 ユーザーからのツイートでユニークだったのは、ショットノートを使った“手書きのツイート”です。ショットノートで撮影したイラストを投稿してくれたのですが、これにはかなり告知効果もありました。ツイッター上でのこのような広がりは個人的に想定していなかったので、新たな発見でした。

三浦 ユーザーからの直接の声は、商品開発へもフィードバックしています。発売当初はiPhoneのみの対応でしたが、その数カ月後にAndroidにも対応するようになったのも、お客さまからツイッター上で「Androidはまだですか」という要望をたくさんいただいたからです。

──6月には第二弾として、ラインアップを拡充しましたね。

遠藤 メモをデジタル化するだけでなく、手帳やノートに貼って一時保管できる「貼ってはがせるタイプ」や、学生向けに「ルーズリーフタイプ」も発売しました。学生にルーズリーフの使い方を聞くと、袋のまま持ち歩くという人が多いんです。そこで持ち運びしやすいようにケースを付け、記入前と後でノートを仕切れるシートも付けました。まずは使いやすいノートとして使ってもらい、そこからデジタル化の機能も活用してもらえればと思っています。

── 今後はどのようにユーザーを拡大していきますか。

遠藤 対応機種を増やしていくことが、ユーザーの拡大につながると考えています。また、今後スマートフォンユーザーが増えていけば、それだけソーシャルメディアの利用も活発になるので、ソーシャルメディアを活用した情報発信をしっかり行っていくことも大事だと考えています。

三浦 現在はユーザー層のほとんどが男性で、その多くが流行に敏感でネットでの情報収集にも積極的な人たちです。今後は徐々に商品ラインアップを増やしたり、商品告知が行き届きやすくなるように、さまざまな媒体から情報発信することで、女性や学生、ノートを利用する会社員など幅広い層にアプローチしていきたいと思っています。

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